high   2003/11/26


High - EP
3人とも作曲&作詞に参加し、バライティに富んだアルバム。また、前作から少し間が開いた所為か、演奏面で格段の進化が感じられ、バンドとしてバランスが良くなってます。(ついでにレコーディング状況も改善されたっぽい音です/笑) 曲もこのメンバーで演奏することを前提に作られており、ライブでの再現性も高そう。3連作の最後を飾るに相応しい、そしてS.O.A.P.の新しい扉を開ける1作。

まず、Einのベースがすごく耳に飛び込んでくる! これまでは低音を補強している、という程度の印象しかなかったのが(失礼)、曲を構成する重要なファクターとして機能してますね。上手になったのか、そういう役割を振られるようになったのか、両方なのかなぁ? ベース好きには嬉しい変化ですv
で、ベースが安定した所為もあるかと思いますが…ドラムが凄いことになっちゃってます(>_<) リミッターが外れたって感じの叩きっぷり!! 間近で見てても、どこ叩いてるのか分からないです。こんな凄いドラムを少数のファンで独占してるなんて…;; ドラム好きは是非聴いてくださいv
そしてもちろん、ボーカルも凄い進化してますね! 細さがなくて、迷いのない伸び。もうボーカリストになっちゃったのね(笑) …って言うか、凄いバンドになっちゃったな。
注目曲

1.high!  Ken:詞曲
非常に華やかな、ライブ映えのする曲。高音のサビ部分から始まり急激にトップスピードへ。続くAメロはドラムで引っ張り、すぐにサビ、Aメロ、サビ、ギターソロ、サビ…最初から最後まで、追い立てるように息つく暇も与えず走り抜けます! …素人耳にも明らかなほど、ドラムが凄い。特にバスドラは、本当にワンバスなのか見ていても疑わしいほど、Sakuraらしく目立ってます(笑)
歌詞は、これまでの陰を含んだ雰囲気から突き抜けた印象。作詞者のKenちゃんは発売当時、「high」という状態を「点」と表現していましたが、まさに不要な思惑やしがらみを脱ぎ捨てて高みへと飛翔していくイメージです。

2.I wanna fly with your airplane  Sakura:詞曲
ポップな曲調に、Sakuraらしい不思議な歌詞(笑) 歌メロもポップなのですが、Aメロと間奏のEin君の旋律がポップな印象を決定付けてますね。個人的にはベースもっと大きく入れて欲しいな。SOAPではちょっと異色な雰囲気。
歌詞は…考え始めるとキリが無いんですけど、自由と引き換えに羽ばたくことが出来る…って意味なのかと、思ってました。束縛の中に本当の自由があるって言うか…。最後のテンポアップしてフェードアウトしていくところが、飛び立つ飛行機のよう。

3.2seconds to the top  Ein:詞曲
メインボーカルをEin君、コーラスをKenちゃんが担当してます。ベースと歌メロで構成されたデモテープを初めて聴いたとき、2人は新しいジャンルの音楽かと思ったそうですが(笑)、多分そのときの印象を壊さないようなアレンジになっています。SOAPでは珍しくギターは控えめで、装飾的な役割。ドラムはどっしりしていて、曲の持つストイックな魅力を引き立ててますね。

4.red sky  Ken:詞曲
通称「五月雨ちゃん」(笑) 残響を多めに残したドラムが、余韻を引いて印象的。このアルバムの中では成立時期が一番古い所為か、収録に当たって相当頑張ってアレンジされてます(笑) ギターは全編に亘ってダビングを使い、音が厚くて豊か。歌詞もライブバージョンから大幅に書き換えられ、言葉運びが美しいです。SOAPの中では丁寧に構築された大曲。
…とは言え、ボーカルもギターもエモーショナルで、作られた雰囲気は無いです。このアルバムではリズム隊の進化が著しく、ついそちらに耳が向いてしまいますが、ギターも凄い…。ギターのリミッターもこっそり外れちゃってるっぽいです。暗色の音色を存分に味わってください。

5.S.O.A.P. 100%  Ken,Ein,Sakura:詞/Ken:曲
ハードでカッコイイ始まりなのに…なぜラップ!?(爆) SakuraがKenちゃん、KenちゃんがEin、EinがSakuraのことをそれぞれ歌ってます。歌詞は限定紙ジャケ仕様のものにだけ入っているので、気になる方は探してみては? 褒め言葉なのか貶しているのか、どちらかと言うと後者??(笑) かなり楽しいです♪